聞けば、日本ではグループリーグで敗退した「山本ジャパン」について、あまり多く論じられていないという。サッカー界の話題は「さあ次はW杯予選!」と、すっかり「ジーコジャパン」に向けられているらしい。4年前そっくりの構図である。大会前は大騒ぎ、敗れれば沈黙。幸い今回は、他の競技が頑張ったおかげで、だんまりも決め込みやすい。で、ほとぼりが冷めると、何事もなかったかのようにスッとチャンネルを切り替える。反省を確信犯的に避けている様子だ。狡いし格好悪い。将来が案じられる。
五輪のサッカーには、その現場にいると大いなる違和感を抱く。緩さを感じずにはいられない。負けても先がある。全てが終わるわけじゃあない。「アテネ経由ドイツ行き」の言葉通り、2年後にはそれ以上の舞台が待ち構えている。メダルの重みが他とは違う。ガラガラだった地方のスタンド風景が何よりの証拠だ。ならば、反省など要らないじゃんと突っ込まれそうだが、日本は例外だと言いたい。
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photograph by Takuya Sugiyama