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ギリシャに継承されたドイツ流のスタイル。

2009/03/08

 前回このコラムで、近代サッカーに乗り遅れているかのようにみえるドイツ、イタリアが、ユーロでどのような戦いをするか楽しみだと書いた。しかし、ドイツも、イタリアも、無残にグループステージで脱落した。特にドイツは、消化試合用に送りだされたチェコの控え選手に負けたのだから始末が悪い。

 一方で、新鮮な驚きをもたらしたのがギリシャだ。開幕戦でポルトガルを撃破し、スペインを蹴落とし、フランスまで引きずり下ろした。この原稿を書いている段階ではチェコとの準決勝が決まっている。ギリシャの持ち味は、組織の整備された守備と、「ダイレクトプレー」を地で行くシンプルな攻撃だ。個々の局面では、あっといわせるような派手なプレーはないものの、選手は献身的に動き、基本通りの動きを地道に組み立て、安易にギャンブルせずに確率の高い方法を選択してゲームをつくっていく。つまりそれは、チームの指揮官オットー・レーハーゲルによって注入されたドイツのスタイルに他ならない。

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photograph by Naoya Sanuki

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