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スポーツと酒場。この愛すべきもの。

2009/03/08

 流氷に覆われたオホーツク海に面する北海道は常呂町でカーリングを眺め、J2に沈んでもレッズへの愛冷めぬ浦和の人々のため息を聞き、ソフトテニス一色の街があると聞けば、能登半島の先端へと旅立つ。2000年7月の津軽を皮切りに、'03年春、バグダッド空爆のニュース流れる広島まで、スポーツを求めて訪ねたのは全国三十数カ所。本誌連載をまとめた一冊である。

 構想のきっかけは、著者がスポーツ紙記者だった頃の体験にある。

 「スポーツ新聞の記者は命ぜられるままいろんなところにいくわけです。たとえば、明日あそこ行ってくれとデスクに言われて、地方の高校野球の予選にさしたる予備知識もなくぱっと行くと、予選の会場とか面白いわけですよ。スポーツの現場にいると、喜怒哀楽が凝縮されているんだけど、喜怒哀楽におさまらないような独特の感情、風景があるわけです。それをいつか書いてみたかった」

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