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EUROを楽しむもうひとつの「見方」。

2009/03/08

 ユーロ2004の本命はフランス。対抗馬はスペイン、オランダ、ポルトガルだろう。4カ国のプレーに共通するのは、現代サッカーの戦術的キーワードの一つ――「ポゼッション」である。優れた技術を持つ選手たちが、計算された合理的なポジショニングの中で縦横にパスを回し、相手守備の綻びを引き出す。順当なら、こうした現代サッカーの最先端を走る戦い方を推進する国々の中から、欧州王者が決まるはずだ。

 そこで気になるのがイタリアだ。華麗なポゼッションサッカーのパスワークとは縁遠い堅守速攻の戦い方を頑なに守り続けている。ピッチをワイドに活用する前記4カ国とは違い、得点につながる攻撃のほとんどはペナルティエリアの横幅より狭いゾーンの中で一気に進められる。90分が終了した時点で相手より1点多く取っていればいいというリアリズムが、徹底して貫かれる。4年前の準決勝、前半34分にザンブロッタの退場で10人になり、ボールポゼッション率35%対65%と圧倒され、PK2本を与えながらオランダの猛攻をしのぎ切って勝利した泥臭さは印象深い。

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