#1155
巻頭特集

記事を
ブックマークする

《深層レポート》“最強ホークス”に及ばずも…横浜DeNAベイスターズの「守備走塁改革」の中身とは?「走塁速度を計算してコーンを」

2026/11/08
第1戦の9回、三森が捕手の捕球後にスタートを切るディレードスチールに成功
2年ぶりの日本シリーズは4連敗で屈したが隙を突いた盗塁と大胆なシフトを敷いた守備などかつての大味な野球のイメージを覆した。その裏にはアナリストと名伯楽の働きがあった。(原題:[深層レポート]横浜DeNAベイスターズ「及ばなかった守備走塁改革」)

 実はシミュレーション通りだった。ほんの半年前まで味方だった捕手のミットが1、2秒ほど止まる。すると、DeNA一塁走者の三森大貴はまるで忍者のようにスルリスルリと走り出した。ディレードスチールが成功した瞬間、一軍走塁アナリストの田上健一は東京都内の自宅で思わず「よしっ!」と声を張り上げた。

 貯金2のセ・リーグ3位vs.貯金42のパ・リーグ3連覇チーム。下馬評はソフトバンク有利が大勢を占めていた。いくらDeNAがクライマックスシリーズを6連勝で勝ち上がってきたとはいえ、相手は昨季の日本一軍団である。圧倒的不利が囁かれる中、田上は人知れず秘策を練っていた。

 入団1年目の走塁アナリストは今季、試合前に各選手との個別ミーティングを開いていた。日本シリーズ第1戦の試合前はパソコンの画面越しに三森と向き合った。田上はインフルエンザを発症し、自宅待機を余儀なくされていた。それでも、どうしても分析結果を伝えておきたかったのである。ヒントを授けると、三森は静かに頷いた。

「やっぱりそうですよね。僕もチャンスがあるかなと思っていました」

 38歳の田上はかつて阪神の俊足外野手だった。6年でユニホームを脱いだが、仲間内では癖盗みの達人として一目置かれていた。現役引退後はオリックスのスコアラー、データスタジアム社のアナリスト、野球YouTuberと異色の経歴を歩み、昨季は独立リーグ・愛媛の野手コーチとして“革命”を起こしていた。相手投手の癖を見抜き、走塁動作の解析も続け、チーム盗塁数を前年の64から153に激増させたのだ。

会員になると続きをお読みいただけます。
続きの内容は…
オリジナル動画500本以上も見放題、
会員サービスの詳細はこちら
※2カ月目以降は通常価格1,300円での自動更新となります
キャンペーン終了まで日時間分秒
特製トートバッグ付き!

「雑誌+年額プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています

photograph by Hideki Sugiyama

0

0

0

関連
記事