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「その節は申し訳ございませんでした」14年ぶりの復帰…新コーチ・村田修一に問うFAの葛藤と「ベイスターズのため」とは何か?《インタビュー》

2025/04/06
今季から野手コーチとして古巣に戻ってきた村田
かつての頼れる「ハマの4番」が13年間の旅を経て、コーチとして母港に帰ってきた。東京では「勝つ野球」の真髄を学び、栃木では若者たちと泥にまみれて白球を追った。すべての経験を糧に、ファンの期待を背に、男・村田は若き星たちに何をもたらすのか。(原題:[新コーチに問う]村田修一「男の帰還~ベイスターズのために」)

 村田修一が帰ってきた。2011年オフ、親会社がDeNAとなるタイミングで「優勝を狙えるチームで野球がしたい」とジャイアンツにFA移籍した。

 それ以来、実に14年ぶりに村田が帰ってきた。待望の古巣復帰。「変わったこと」と「変わらないこと」を尋ねると、村田はしばらく考えてから口を開いた。

「僕がいた頃も、そして現在も、《打撃が売りのチーム》であること、《強力打線で打ち勝つスタイル》という点は変わっていないですね。変わった点か……。大きく変わったのは、僕らユニフォーム組だけでなく、フロントも含めたチーム全体で“ベイスターズを強くしよう”と誰もが同じ方向を向いている点は変わったかもしれないですね」

 '11年オフ、村田はDeNAの池田純球団社長、高田繁GMと、自身の去就について面談を行っている。「どんなチーム作りを目指しているのか?」と村田が問うと、返ってきたのは「5~6年後に優勝できるチームを作る」という答えだった。

「当時、僕はすでに31歳になる頃でした。5~6年後と言えば、30代半ばになっています。その時点でチームに貢献できるかどうかの保証はない。限られた現役生活の中でずっとBクラス、最下位に沈んだままの野球は考えられなかったんです……」

 本心では「すぐにでも優勝できるチームを目指す」と言ってほしかった。そして「絶対に残留してほしい」という言葉がほしかった。もしもその言葉があれば、ベイスターズに残留する可能性もあった。

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photograph by Kiichi Matsumoto

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