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「ピッチャーとしてはラストチャンスのつもりだと覚悟しています」大谷翔平が語った二刀流で勝つための“時間の使い方”とは「細く長く、みたいな発想に僕はならない」
プレイボールがかかって6秒、大谷翔平のバットがゲームの初球を捉えた。
2026年5月20日、サンディエゴ。
1番、DH、ピッチャーとして1回表のバッターボックスに入った大谷は、パドレスのランディ・バスケスが初球に投じた高め、95.5マイル(約153km)のストレートをバックスクリーンの右へ叩き込んだ。先発ピッチャーによる先頭打者ホームラン――ビジターの“1番、ピッチャー”が1回表の、しかも初球にホームランを打つ。表でなくとも初球でなくとも、これはMLBのレギュラーシーズン初の快挙だ。サンディエゴでの試合後、大谷はこう言った。
「一番はピッチャーとして先制点をあげないようにという気持ちで臨んでいたので、その前に1点入って、1番がいい仕事をしてくれたという感じかなと思います」
いい仕事をしてくれた「1番」とは“バッターの大谷”のことで、この試合で「一番」大事な先制点を与えないピッチングを求められたのは“ピッチャーの大谷”のほうだ。大谷は2人いる――最初にそう口にしたのはファイターズの前監督、栗山英樹だった。2012年の秋、花巻東高校の大谷を獲得した直後、栗山はこう言っている。
「今年はドラフト1位を2人獲れたようなもの。ピッチャーの大谷翔平と、バッターの大谷翔平(笑)。2人ともドラフト1位クラスの逸材なんだから、そりゃ、二刀流だってやりたくなるでしょ」
当時、投打ともに大谷の実力が抜きん出ていることは理解できても、「2人いる」ことをイメージするのは難しかった。しかし今やその言葉は完全に市民権を得ている。何しろ大谷自身が、大谷は2人いることを前提に言葉を発しているのだ。先発して勝利投手となった大谷が、先頭打者ホームランを打った1番の大谷に「いい仕事をしてくれた」と感謝する現実――じつはこの快挙、大谷は日本でも成し遂げている。
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