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《ドラ1・立石正広に密着》 番記者が綴る“次代の大砲”の地道な日々「自分のイライラを減らすためにも…」【阪神タイガース】

2026/04/11
2月のキャンプから徐々に打撃練習を解禁。その飛距離に歓声と拍手は止まらなかったとか。大学卒業式の翌日には衝撃の満塁本塁打。一軍への階段を着実に上っているように見えたが……
大学No.1スラッガーが入団するとなれば、虎番はその素顔を知るべく、西へ東へ大奔走。怪我あり、卒業あり、満塁ホームランあり。ドラフト指名から開幕までの日々を追いかけた。(原題:[ドラ1・立石正広に密着! 番記者日記]次代の大砲は怪我でも地道に!)

11月2日(日)

 ドラフト指名後初の公式戦となった横浜市長杯。立石正広を球場で初めて見た。2年春に東京新大学リーグで三冠王を獲得した世代No.1スラッガー。大山悠輔、佐藤輝明、森下翔太に続く大砲として期待のかかる男は、一体どんな打撃を見せるのか。胸を高鳴らせ、横浜スタジアムの記者席に座った。5回だった。外角低めの難しいボールを振り抜くと、打球は一瞬にして右翼席へ。私は元DeNAのタイラー・オースティンが2年前に放った逆方向への一発を思い出した。あれも横浜スタジアム。試合後、右翼を守った森下が「左バッターが引っ張ったみたいな打球だった」とつぶやいたことを覚えている。立石のそれも、まさにそんな打球だった。とんでもないルーキーが猛虎に加わる。早くも、大物ぶりを感じさせられた。

11月27日(木)

 立石が中高6年間を過ごした母校・高川学園に凱旋。校舎横に隣接する野球部グラウンドを訪問した後、隣に同校の西岡大輔部長も同席して囲み取材が始まった。「彼を6年間叱ったことはない。ゴリゴリの優等生ですよ」。「そんなんやめてください(笑)。恥ずかしい」。漫才のようなかけ合いが続く。「自分は背中でチームを引っ張りたい」とグラウンド上では主将として、常に冷静な姿を見せてきた。勝手に真面目な印象を彼に抱いていたが、恩師との楽しそうなやりとりから、彼の素を知れた気がした。

ドラフトでは3球団競合のすえ、阪神が交渉権を獲得した JIJI PRESS
ドラフトでは3球団競合のすえ、阪神が交渉権を獲得した JIJI PRESS

12月11日(木)

 創価大での練習が公開された。開始時間はなんと午前6時。着くと既に、立石が白い息を吐きながら走っていた。キャッチボールを終えると、左翼から右翼まで振られ、打球を処理するアメリカンノックが始る。倒れ込みながら白球を追う場面もあった。見ているだけできついメニューを「足は動かしておきたい」とノルマ終了から3本追加した。普段は午後から森下らが通うトレーニング施設に向かうという。実に1日約11時間も野球漬け。「しんどくないの?」。そんな記者の問いに彼は答えた。「今は入寮に向けた引っ越しの準備と手続きが……。そっちの方がしんどいです」。野球に真摯でストイックな男にとってはあまりに愚問。失礼しました。

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photograph by SANKEI SHIMBUN

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