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【マリーンズ】「つきっきりで練習したことも」西川史礁が語るサブロー“監督”からの指摘と新人王争いへの方針転換「宗山、渡部を意識しないと言ったら…」《躍動ルーキーの素顔》

2025/11/10
開幕から間もなく浮いては沈み、沈んでは浮いた。上り調子のきっかけは、来季から一軍の指揮を執るコーチとの密なマンツーマン特訓にあったという。(原題:[躍動したルーキーズ(3)]西川史礁「何かを変えなきゃ生まれ変われない」)

 冷たい雨が降る秋のZOZOマリンスタジアム屋内練習場。西川史礁は凜々しい表情で撮影に臨んでいた。

 しかし、半年前はドラフト同期の宗山塁や渡部聖弥が活躍するのとは対照的に、この屋内練習場で絶望の淵にいた。

「なんでこんなにダメなんやろう……」

 バットを振る西川の目には、熱いものがこみ上げていた。

「覚えていますよ。とにかく苦しかったですね、野球をすることが」

 涙もろいタイプなんでしょうか――そんな質問に対して「自分でも結構、そう思うっすね。ポロっと出ちゃうんで。小っちゃい時も打てないと、お父さんと車で一緒に帰るときに叱られて……」と懐かしそうに振り返った。

 西川はロッテのドラフト1位ルーキーとしてオープン戦からヒットを量産し、開幕スタメンの座を勝ち取った。さらに、ソフトバンクとの開幕戦では初安打初打点をマークしてヒーローインタビューに選ばれるなど順風満帆な船出に見えたが、序盤からいきなり暗転する。

 4月の月間打率.125、5月.129。不振の要因は、アマ時代「得意な分野」だったはずのインコース攻めだった。

「プロの球筋やコントロール、キレが今までと全然違ったんです。心理的に〈インコースが来るんじゃないか〉と、バットが出なくなり、体も開いてしまって」

 西川の持ち味であるはずの積極的なスイングが、影をひそめ始めた。1年目の目標に「80打点」を掲げていたが、この2カ月で稼いだ打点はわずか「3」。文字通りプロの壁にぶち当たり、2度のファーム調整を余儀なくされた。

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photograph by Kiichi Matsumoto

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