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「他球団のスカウトと会うこともなかった」黒田博樹はなぜ広島を信頼し逆指名を決断したのか「カープに入っていなければ今の僕はいません」《漢気インタビュー》
――黒田さんがプロ入り前にスカウトの存在を意識し始めたのはいつごろですか。
「僕は高校時代、ほとんど大会で投げることがなかったので、大学になってからですね。1学年上に小林幹英さん（現広島三軍投手コーチ）がいて、スカウトの方が多く見に来ていました。身近にプロに注目される選手がいたことが大きかった。そういう意味では、大学3年にプロを意識したんじゃないかなと思います」
――当時、広島の苑田聡彦スカウトは専修大学の黒田投手にすでに2年時から注目していたそうです。
「まったく知らなかったです。スカウトの方が見ているとは思っていなかったですし、意識もしていませんでした。1年のときはケガもあったので、2年はまだ投げ始めたばかり。あのときはプロを意識するというよりも、大学でどこまでやれるのか、ということしか考えていませんでした」
――4年春に1部リーグに昇格し、注目度が上がりました。
「当時の東都リーグはドラフト候補選手が多かったんです。目玉選手だった井口（資仁※当時忠仁・青学大）と今岡（真訪※当時誠・東洋大）がいて、投手でも同期の澤崎（俊和・青学大）に倉野（信次・青学大）がいました。ほかの大学にも1人、2人はドラフト候補がいるような中で野球をやっていたので、自分はまだそのレベルに達してないという思いが強かったですね」
――同年の春季リーグで導入されたばかりの神宮球場のスピードガンで初めて「150km」を計測したことは、大きなインパクトがあったと思います。
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