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【オリックス】「僕は体力があるので3件回る」山本由伸と同期の27歳スカウトが心に留める言葉とは「親御さんも油断しないで」「上司を呼ぶタイミングもセンス」《曽谷龍平、古田島成龍を発掘》

2025/10/24
岡崎大輔スカウト(右)は就任1年目でドラフト1位の曽谷龍平を担当した
異例の若さでのスカウト転身から、もうすぐ4年。山本由伸と同期入団の27歳は、“縁”と“タイミング”を心に留めながら、今年もまた人材発掘に勤しんでいた。(原題:[若手スカウトの仕事術]探して、惚れて、売り込んで)

 10月某日、スカウト会議のため京セラドーム大阪を訪れていた岡崎大輔が、インタビュールームに姿を現した。23歳で現役を引退し、アマチュアスカウトに転身して4年。以前は選手と並ぶとどちらが新入団選手かわからないほど初々しかったが、今はどことなく風格も漂う。会議直後のせいか、まだ気が張り詰めている様子だった。

「ドラフトまで1カ月切っていますからね」

 いよいよ大詰めだ。今年のスカウト活動もそこで一段落……かと思いきや、そうではないらしい。

「ドラフト会議で一区切りだと思われる方もいると思うんですけど、一番大変なのは選手の契約なんです。ドラフト会議でご縁をいただいた選手との仮契約を、新人選手入団発表会見までには終わらせなければいけない。選手の地元や、どこにゆかりがあるのかを調べてホテルを押さえる。初めてユニフォームに袖を通す場でもあるので、保護者様にも来ていただきたい。となると保護者様のスケジュールも確認しなければ。そういう作業を経て入団会見が終わると、やっと1年が終わった感じがします」

 そこから12月末までがスカウトにとって唯一の休息期間だ。年が明けると早速担当エリアへの挨拶回りに出かけ、担当が変われば引き継ぎも行う。2月にキャンプが始まると、担当していた新人選手について知る限りの情報を現場に伝える。

「その時点では僕たちが一番その選手のことをわかっているので。映像だけではわからない内面的な部分や、『打ち損じはこういう打球が多い』といったことも細かく伝える。ここまでが義務だと思っています」

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photograph by Mainichi Newspapers

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