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金本知憲、岡本和真、鈴木誠也…スラッガーを育て続けた内田順三“勤続50年”の指導哲学「振ってナンボ」「右膝の内側に『第2の目』があるんだ」
球界の名伯楽と謳われた内田順三の黒い革手帳には力強い筆致の文字がぎっしり詰まっている。「選手の育成」「打撃プロセス」「練習十五ヶ条」「コーチの条件」などとシールで分類し、赤やピンクの下線を引いている。選手、指導者として勤続50年の日々のなかでまとめた教訓である。
《「なぜ」がないと向上しない 打撃は日々変わる→練習》
《オーバーコーチするな》
《それぞれの性格に応じた教え》
内田が球界で名声を高めたのは勝負強い打撃が光ったヤクルトや広島などでの現役時代よりも、指導者になった1983年からである。35歳で広島のコーチに就くと、巨人と3度ずつ交互に在籍するなかで打撃部門を担当。2019年に勇退するまで一、二軍をくまなく指導し、37年間、グラウンドに立ちつづけた。松井秀喜や清原和博、前田智徳、新井貴浩ら、歴戦のスラッガーに寄り添い、その活躍を支えた。

広島に加入したルーキーたちは、まずこんなアドバイスを受けるという。
「内田さんの言うことは聞くほうがいい」
それは村一番の長老の知恵に耳を傾けるようなもので、そこには打撃の「生き字引」に一目置く響きがあった。
御年78歳。厳しさのなかにも温かさが滲む目の輝きは、片手でボールを持って、選手にティー打撃のトスを上げていたときと変わらない。相変わらずのダミ声が響く。
「スラッガーはバッターのなかでも、打ちたい願望がものすごく強い。振ったもん勝ちというかさ。バットマンはバットを振ってナンボだよ」
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