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《独占インタビュー》鈴木誠也が語るホームラン哲学と“暗いトンネル”の中で考えたこと「自分で自分を抑えすぎて、打撃が狂ってしまった」

2025/09/12
今シーズン、3年連続20本塁打に到達しながらも、飽くなき探求心と向上心ゆえに苦悩は尽きない。それでもメジャーで生き抜くために泥臭く、前へ前へ。中距離打者からの変革を目指す、現在の心境を語った。(原題:[単独インタビュー]鈴木誠也「満足なんてしていない」)

 米大リーグ4年目を迎えた今季、カブス鈴木誠也は新たな境地に足を踏み入れようとしている。6月23日(以下すべて日本時間)のマリナーズ戦。1回にローガン・ギルバートの高め96マイルを弾丸ライナーでレフトスタンドへ運び、5回には再びギルバートの内寄りの81マイルのスプリットを拾い上げ、レフト方向へ今度は高々と舞い上がるアーチを描いた。今季4度目の1試合2本塁打で、日本人選手では大谷翔平以来となる3年連続20本塁打に到達。あの松井秀喜氏ですら成し遂げていない記録を刻み、長距離砲としての大きな一歩を踏み出した。

「これだけホームランが出るということは、少なからず、確実に成長はしている。自分なりのスイングでしっかり振り切った中でホームランが出るというのは、ここ3年間なかった」

 米国開幕4戦目となる3月31日のダイヤモンドバックス戦で放ったセンター右への今季1号から、快進撃が始まった。2日後のアスレチックス戦からは2試合で2打席連発を含む3ホームラン。5月26日レッズ戦では、内角への97マイルのシンカーをライナーでレフトスタンドに突き刺した。内角は他球団からウイークポイントとして見られていただけに、シーズン序盤で対応できたことに大きな意味があった。

「目付はインサイドにして、(体に)近い球を振っていこうと。細かなデータまで出るメジャーでは、苦手な球をどんどん続けてくるので、早い段階でインサイドを打たないといけなかった。それに、こっちでやっていくためには速い球を左中間方向に打つことも求められる。僕くらいのパワーでホームランを数多く打とうと思ったら、センターから左に絞って振りに行かないと難しい」

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photograph by Yukihito Taguchi

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