記事を
ブックマークする
《2022年 大阪桐蔭-下関国際》「まだ流れはうちにある」絶対王者を沈めた‟トリプルプレー”と‟逆転打”の真相「真っすぐが来る、と直感して…」【令和名勝負プレイバック②】

強い者が勝つわけではなく、勝った者が強い――。横浜DeNAベイスターズの捕手・松尾汐恩は、高3の夏の甲子園でそれを痛感した。冷静な面持ちだが、感情を込めた口調で松尾が振り返る。
「僕の野球人生で、こんなに悔しいことがあるんかってぐらいの経験でした。ある意味、自分を変えてくれたというか、どんな状況であれ、勝たなければいけないと、負けず嫌いな気持ちがあの試合でより一層強くなりましたね」
プロ3年目、あの日の出来事が今を戦うエネルギーになっている。
2022年8月18日、松尾が所属する大阪桐蔭は、準々決勝で姿を消した。秋の神宮大会優勝を皮切りに、春のセンバツを圧倒的な強さで制した絶対王者が、夏の甲子園出場3回、最高成績はベスト8('18年)の下関国際に4-5で敗れた。
3度目の春夏連覇を期待されていた大阪桐蔭は、戦う前から相手を萎縮させるような精鋭揃いであり、その存在感は他校より抜きん出ていた。だが下関国際ナインは、誰一人として臆することはなかった。
遊撃手兼投手の仲井慎は、試合前の様子を次のように証言する。
「僕たちは'18年の先輩たちに憧れて入学した世代でした。なので目標はベスト8越え。実はセンバツの後ぐらいから『優勝した大阪桐蔭をいかに倒すか?』みたいなミーティングを坂原(秀尚)監督の下で重ねていたんです。ベスト8越えを目指すには、準々決勝で大阪桐蔭のような強豪校と当たるはずだという読みでした。だから動画などで大阪桐蔭の試合はよく見ていましたね」
全ての写真を見る -1枚-プラン紹介
「雑誌+年額プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
「雑誌+年額プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
この連載の記事を読む
記事


