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「直球は轟音を立て、高めにホップ」大谷翔平が異例の“実戦リハビリ調整”…ドジャースと考えた「二刀流復活計画」を読み解く《2026年サイ・ヤング賞&本塁打王へ》

2025/08/07
6月16日、右肘手術を経て22カ月ぶりに投手大谷が復帰した。異例の「リハビリしながらの実戦登板」を詳しく読み解くと、登板ごとに投球回、球数、変化球の種類、直球の強度、そしてチームの勝利と、テーマに応じたピッチングをしていた。順調に調整を続ければ、来季以降の完全復活も見えてくる。(原題:[サイ・ヤング賞&本塁打王へ]二刀流復活計画)

 昨季は史上初の「50-50」を達成し、2年連続本塁打王、3度目の満票MVPに輝いた。すでに「MLB最強打者」の称号を手にいれた大谷翔平が思い描く次章は、「MLB最強投手」の座に他ならない。

 2023年9月に2度目のトミー・ジョン手術を受けてから23カ月、彼は今、世界最高の野球選手となるために、投手としての刃を懸命に研ぎ直している。

 今季の位置付けはあくまでもリハビリの過程であり、目指すは'26年シーズンにおける二刀流完全復活。そして究極のゴールは、史上初の「サイ・ヤング賞&本塁打王」だろう。

 当初、デーブ・ロバーツ監督は、投手復帰をオールスター明けと公言していた。しかし、6月に入ると急転直下、「翔平が希望しているから」と語り、1カ月の前倒し復帰が決まった。

 この決断にはさまざまな事情が絡み合った。故障者が続出するドジャースの投手事情、また、大谷も打者出場を続けながらライブBPの調整を重ねることは、ダブルヘッダー同様の体力消耗があると訴えた。

 実戦復帰を早めることの最大の懸念は、右肘故障の再再発だ。3度目のトミー・ジョン手術となれば、それは投手生命を絶たれることに直結する。故にドジャースは昨季から慎重にリハビリスケジュールを管理し、その一つひとつの判断を執刀医であり、チーム・ドクターのニール・エラトラッシュ氏に委ねてきた。今回はそのドクターが最終的に「GO」の決断を下した。そして、異例の“実戦リハビリ調整”が始まった。

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photograph by Nanae Suzuki

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