用意したフレーズではない。円陣の中心にいた森保一はまくし立てるように、熱い言葉で選手たちのハートを叩いた。
「素晴らしい試合だった! 新しい景色、最高の景色を目指していけば、必ず歴史が変わるということ! この悔しさを胸に刻んでみんなでやっていく!」
カタールワールドカップでドイツ代表、スペイン代表を撃破するサプライズを起こした日本代表はラウンド16でクロアチア代表にPK戦の末に敗れた。ブルーの輪に充満する悔しさは、そのまま次に向かうエネルギーへと変換されていく――。

あれから2年半が過ぎた。前回は序盤でもたついたアジア最終予選も、2位以下を大きく突き放して突破を決めた。視座を高く置いてモチベーションとチーム力を引き上げてきたことが、独走劇をもたらした。
変化と不変。
最終予選は三笘薫、堂安律、伊東純也、中村敬斗といったタレントをウイングバックに置く「攻撃的3バック」を一貫して採用してきた。本大会を見据え、チームとして戦い方の幅を広げていくためでもある。
「彼らは攻撃において世界でも高い水準を誇り、献身的にハードワークできます。小手先のうまさというより責任を持って局面で勝っていきながら自分の良さを発揮してくれる。そこを表現したいとの思いはテーマとして持っていました。薫や律の背後にロングボールを放り込まれても、高さとスピードで来る相手をしのいで選択肢をなくしていくこともできています。ここは(ベスト8に終わった)アジアカップの反省も活かされているとは思います。
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