#991
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「羽生結弦選手の跳び方はもっとも理想的」本田武史が解説する“日本男子フィギュア”の進化…ジャンプを指導する宇野昌磨へのアドバイスは?<アーカイブ記事/2019年>

いわゆる「五輪中間年」 にあたる今シーズン。選手たちは2年後の大舞台を意識しながら、この時期にしか挑戦できないテーマに取り組んでいる。トップスターからジュニアの新星まで、日本男子の現在地を解説する。(初出:Number991号 [本田武史が解説]日本男子フィギュアの進化。)

──今季のGPシリーズは混戦でした。五輪2季前のシーズンで各選手の試行錯誤を感じました。その中で見えた日本男子選手たちの進化について伺いたいと思います。本田さんはどんな印象を持ちましたか。

「本当に今季は、誰がファイナルに進むのかまったく予想できない展開でした。4回転を多く入れるぶん、そのリスクもあるということです。宇野昌磨選手が1戦目で順位を落とし、ヴィンセント・ジョウ選手は学業のために休養。一方で、羽生結弦選手とネイサン・チェン選手の2トップは、安定した演技を見せています」

──羽生選手は、スケートカナダで自己ベストを更新しました。

「現地で観戦しましたが、1つ1つの技に対して余裕があり、本当に細かく練習してきたというのが伝わってきました。4回転トウループとサルコウは、いつでも跳べるくらいの自信も感じられました。4回転ルッツや4回転アクセルを入れたい気持ちをいったん収めて、ジャンプの質の良さを追究した。やはりこれがフィギュアスケートの正解だと感じさせる演技でした」

──チェン選手も好調を維持しています。

「ネイサン・チェン選手は、'18、'19年と世界選手権を10代のうちに連覇し、本当のピークはこれからです。演技も上手なのですが、難しいことを淡々とやってしまいアピールに欠けている感じもします。昔はアレクセイ・ヤグディンのように凄みを感じさせることも必要でした。もっと自分をアピールすると凄みも加わるでしょう」

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photograph by Asami Enomoto

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