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【雑草捕手】「プロに行けるなんて…」ベイスターズ・戸柱恭孝のルーツを徹底取材…漁師の父親が授けた“あおいくま”って何だ?「あいつの武器は肩と気合い」
戸柱恭孝は、しぶとい男である。
ベイスターズ入団から2年間レギュラー捕手を務めたが、その後は大半が忍耐の時間だ。先発マスクは4試合に1回(3年目以降の平均値)。主戦の一角だが正捕手とは呼べない微妙な立ち位置で踏みとどまり、今季プロ10年目に突入した。
その存在価値を示したのが昨季のポストシーズンだ。捕手陣の中心にいた山本祐大が9月半ばに負傷。これを機に出場機会を増やした戸柱はCSでMVPを受賞し、日本シリーズでもホークス打線を29イニング連続で零封するなど、守りの要として26年ぶりの日本一に貢献した。
試合にあまり出られなかったレギュラーシーズンの間も腐ることなく、常に備えを尽くしていたからこその活躍だった。
戸柱はなぜ、日陰で地道に努力を続けられるのか。不屈の精神はどのように育まれたのか。そのルーツを探ることにした。
両親を驚かせたのは5歳の頃だ
鹿児島県南東部。大隅半島の東の付け根にある海辺の町が、戸柱の故郷である。鹿児島空港から車で約2時間かけて、年季が入った団地にたどり着いた。
「日本シリーズの時期はすごかったんです。こんな田舎からあんなになって、と。スーパーが1軒しかないんですけど、行くと帰れないんですよ。今日もつかまっちゃって」
困り顔で語るのは戸柱の母・弘美だ。脇に座る父・浩一郎はうれしそうに笑っている。子や孫の写真が壁一面に飾られた小さな居間で、戸柱の少年時代について聞いた。
漁師の父と、役場で福祉関係の仕事に従事する母との間に、恭孝は次男として生を受けた。両親を驚かせたのは5歳の頃だ。
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