今回は、七月場所で再入幕した若隆景関を取り上げます。2022年に三月場所で新関脇として初優勝を果たした後、ケガの影響で一時は番付を東幕下六枚目まで落としたものの、再入幕後は11勝、九月場所は東前頭七枚目で12勝を挙げ、着実に番付を戻してきました。
若隆景関といえば、小柄ながら相撲巧者であり、引き締まった肉体からは豊富な稽古やトレーニング量が窺えます。昨年4月に右膝靭帯の再建手術を受けながら、ここまで状態を戻してきました。
大の里優位に見えたが、ずっと主導権を握っていたのは若隆景。
好調だった九月場所で印象に残っているのは、12日目の大の里戦です。初日から11連勝中の大の里に土をつけたこの一番は、若隆景関の強さが表れた相撲でした。みなさんには、土俵際まで追い詰めた大の里が押しているように見えたのではないでしょうか。しかし、実際の内容は違いました。
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photograph by Takayuki Ino(Illustariton)