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「最後の一番が、栃煌山関で良かった」二所ノ関親方が解説する栃煌山への感謝と独特の“相撲力”「運動能力が飛び抜けているわけではないのに…」

2024/12/04

 私が中卒で相撲部屋に入門したのに対し、元関脇の栃煌山関は高卒での入門でしたが、現役時代は同学年という気安さもあり、ウマが合って食事に行ったりお酒を飲んだりしたものです。

 幕内での通算対戦成績は26勝17敗で、かなり拮抗していた時期がありました。お互い三役に上がった頃は、こちらが3連勝すれば次は連敗する、といったことがありました。

 なぜ、そんなことになってしまうのか、私の視点では原因が特定しづらいのです。先日、弟子の大の里が大関昇進伝達式の口上で「唯一無二の力士を目指し」という言葉を使いましたが、その言葉を借りれば栃煌山関は唯一無二の力士に近かったかもしれません。当時、私がその取組に抱いていた印象は「何か嫌な感じ」というもので、今思えば、相手にそうした感覚を持たせることが彼の特徴だったのです。

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photograph by Takayuki Ino(Illustariton)

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