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《高橋藍の高校3年間》「25点全部を藍に上げても全部決まる」バレーも、勉強も、歌もパーフェクト…ライバルたちの証言「自己主張も強めでした」
2024/10/13
勉強はそつなくこなし、マイクを握れば美声を響かせる。そしてコート上では絶対的なエースとして春高を制した。スキのないチームメイトにトスを上げ続けたセッターと、ネット越しに対峙した選手たちが、当時の姿を振り返った。(原題:[ライバルたちの証言]「藍世代」が見た万能の東山時代 中島健斗/水町泰杜/伊藤吏玖)
藍、やっぱり変わってないな。
かつての盟友、中島健斗は、東山高でコンビを組んだ頃の記憶と重ねていた。
昨秋の五輪予選で日本代表がエジプトに敗れた後、高橋藍が勝負所で「自分に上げてほしかった」と語る記事を読んだ時だ。
「当時から『俺に持って来い、俺が決める』とめちゃくちゃ言って来て、持って行くと本当に決める。勝負所で他の選手に上げて決まらないと『何で持って来うへんねん』って。自己主張はだいぶ強かったですね」
「思い出しても欠点を見つけられない」東山高校時代。
エースの高橋とセッターの中島。2020年1月の春高バレーで東山初の全国制覇を成し遂げた2人の出会いは小学生まで遡る。当時の高橋はまだ身長が低く、中島から見れば「よく跳ねるし、手足も長い。まぁまぁ強い」という程度。一変したのは、中島が大阪北代表、高橋が京都代表として全国大会に出場する中学3年の頃だった。
「身長が伸びて、巧さもヤバかった。藍は関西でトップ3に入るスパイカーでした」
東山ではチームメイトでクラスメイト。高橋の凄さとヤバさはより際立った。1年からレギュラーを獲得したバレーボールの実力だけではない。「思い出しても欠点を見つけられない」と中島は苦笑いする。
「勉強していないから、テストはみんな一夜漬け。みんな同じなはずなのに、藍の集中力は段違い。70~90点ぐらいでそれなりには点数を取るんです」
カラオケに行けば、そこでも圧倒した。RADWIMPSの『前前前世』、秦基博『ひまわりの約束』、さらにエド・シーランの『Shape of You』まで。
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photograph by AFLO