中学3年生の藍少年が、18歳の自分に宛てた手紙。そこには将来への不安に満ちた言葉が綴られていた。だが先を行く兄の存在、優れたコーチとの幸運な出会いによって、未来は大きく拓かれていく──。
高橋藍はポジティブなエネルギーに満ちている。プレーは躍動感にあふれ、成長は加速するばかり。
取材の受け答えもハキハキと淀みなく、国際映像のコートインタビューには英語で堂々と応じる。コート外でも、Vリーグのサントリーサンバーズに所属する兄の塁とともにYouTubeチャンネルを立ち上げたり、様々なメディアに積極的に出演する。
「バレーボールをやる子供たちや、バレーに興味を持つ人が増えてほしい。それがバレーの未来につながっていくと思うので。バレーボールを夢のあるスポーツにしたいんです。今でいうと野球やサッカーですよね。子供は純粋だから、野球を頑張ればこんなにお金がもらえるんだとか、好きな芸能人に会えるんだとか、それは子供にとってはすごく夢があることじゃないですか。バレーはまだそこまでじゃないと思うので、バレーを頑張ったら世界が変わるよと、そういうものを作っていきたいですね」
22歳の視野の広さと行動力に驚かされる。どんな場でも物怖じせず、初対面の人ともフランクにコミュニケーションを図る。言葉はいつも前向きで、自己肯定感が強く、プレーだけでなくそうした人柄が世界中のファンを魅了し、いまやインスタグラムのフォロワー数は160万人を超える。
そんなキラキラしたアスリートが、自信がなくて不安でいっぱいな思春期を過ごしていたとは思いもしなかった。高橋の母に、ある手紙を見せてもらうまでは。
中学3年生の高橋が、18歳の自分に宛てて書いた手紙には、胸が締め付けられるような心情がつづられていた。
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photograph by JIJI PRESS