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【インタビュー】「最後の1点を託される選手に」甲斐優斗(20)が語る“コートで人格が変わる”理由《パリでは「宮浦さんにすがるしかない」って》

2024/10/11
武器は世界に通用する強烈なサーブと強靭なハート。チーム最年少で出場したパリ五輪では悔しさを味わうも、その目は次の戦いを見据え、さらなる成長を心に誓う。「最後の1点」を託されるエースとなるために――。(原題:[未来を継ぐ者たち(1)]甲斐優斗「この夏の経験を4年後に繋げる」)

 20歳にしてパリ五輪の舞台に立った甲斐優斗。海外の選手と比べてもそん色ない2mの長身と、ミスが少なくサービスエースをねらえるサーブ力を日本代表のフィリップ・ブラン監督に買われ、最終選考に残った。

 圧巻だったのは試合の終盤、1点で流れが大きく変わる、震え上がりそうな場面でリリーフサーバーを告げられても、落ち着き払った表情でコートに入る姿。強豪国の、百戦錬磨のトッププレーヤーたちが困惑し、反応できないような強烈なサーブを放つ。

「競った場面でリリーフサーバーで出場して、サービスエースを取ったら注目されますし。それをモチベーションにして自分の役割を果たしていたのかなと思います」

 在籍する専修大の吉岡達仁監督いわく「コートに入ると人格が変わる」。バレーボールでは注目を浴びたいが、それ以外はどちらかというと内向的で「決して陽キャではない」と本人は笑う。人前で話すことや、初めての場所が苦手。ブラン監督からは会話の最後に必ず「コミュニケーション!(が大事だよ)」という一言が付け加えられたほどだ。

この経験を次に繋げなければならない気持ちのほうが強かった。

 五輪から約1カ月、甲斐は大学に戻り、緑豊かなキャンパスにいた。町中で声をかけられる回数は増えたが、「それ以外は普通に生活しています」とおっとりとした口調で語る。大学の体育館で練習し、休みの日にはチームメートとボウリングを楽しむ。2mの身長と、オリンピアンだという事実を除けば、ごく普通の大学生だ。

 少し時間が経った今、パリ五輪をどう振り返るのか?

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photograph by Kiichi Matsumoto

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