大谷翔平の愛犬・デコピンが完璧なファーストピッチを披露した夜、大谷がデコピン柄のスパイクを履くことを「験担ぎ」と表現したことに驚いた。エンゼルス入団から7年間取材しているが、験担ぎの話は初めて聞いたからだ。しかも、ちょうど6月頃から、機会があるとドジャースの選手たちに「スランプを抜け出す手段は?」という質問を投げていたところだった。
きっかけはタイラー・グラスノーがムーキー・ベッツとの対談番組で、2017年にあまりにも調子が悪いので、流れを変えようと思い立って「スカイダイビングをした」と明かしたのを聞いたことだった。
「その年、あまりに自分がひどくて、凄く怖い体験を乗り越えたら、何かが変わるんじゃないかって。深く考えたわけではなく、本当に思いつきだった。それまで、スタンダードなことや伝統的なこと、考えられることはすべてやってみたが何ひとつ、うまくいかなかった。だから『よし、飛んだら変わるかもしれない』って誰にも言わずに一人で行ったんだ」(グラスノー)
さすがにグラスノーほど奇想天外な回答はなかったが、聞いてみると皆、多種多様な「験担ぎ」を持っていて結構面白い。
ユニフォームを着たままシャワーに入って洗う。
例えば、キケ・ヘルナンデスは「試合後にユニフォームを着たままシャワーに入って、石鹸で悪い気を落とすんだ」という。マイナー時代からスランプに陥ったときにやっていたらしい。
「頭の中が綺麗になったつもりでいる。洗ったから、翌日にはきっとヒットが打てるだろうって。実際にメッツ戦の時に洗ったら、翌日2安打したよ」
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