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「盗塁は最終的には数字の方程式になる」ドジャース・一塁コーチが明かす大谷翔平「盗塁激増」の秘密【インタビュー:C・マッカロー】

2024/09/26
大谷が出塁すれば「ヘッド・バンプ」を交わし、綿密にコミュニケーションを取るマッカロー一塁コーチ(左)
これまでのキャリアハイは2021年の26。そんな大谷の盗塁数は、なぜ今季、飛躍的に増えたのか。一塁コーチとして日々、走りを見守るクレイトン・マッカローが、進化の過程と理由を明かした。(原題:[一塁コーチが明かす]盗塁激増の秘密)

 翔平は本当に『良い生徒』だね。

 勤勉な姿勢はいつも変わらない。彼の盗塁について語るならば、まずは試合前の準備の賜物ということになる。彼はとても多くのビデオを見るが、ただ見ているだけではない。「なぜ、アウトになったのか」。この研究が非常に素晴らしい。成功を追い求める前に、失敗の原因をクリアにする。同じ失敗を繰り返さないためだろう。それから、先へ進む準備が始まるんだ。

大谷の知性と記憶力には、本当に感心させられる。

 相手投手については、だいたい試合前に話を終えている。私が翔平に話しているのは投手が捕手に投げるまでの時間だ。そして、彼は捕手が送球に要する時間を本当によく把握している。このふたつを頭にインプットし、そこから自分が快適に走れる時間を割り出している。相手のトータルタイムと自分の二塁到達タイム。この数値を彼は冷静に割り出す。根拠のない盗塁は絶対にしない。ここに今季、92%にも及ぶ成功率を残す要因があると思っている。

Getty Images
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 翔平は本当にスマートだ。彼の知性と記憶力には、本当に感心させられる。我々は試合前のかなり早い時間に話し合うが、それから3、4時間後、もしくは翌日になっても、私のところにやってきて、こんなことを言うんだ。

「この投手は、ピックオフ(牽制)の時にこんなことをしていますね。こっちの投手は、投げる前にこんなところに視線が向いていますね」

 翔平には多くのミーティング、準備、さらに投手復帰へのリハビリまである。限りある時間の中で、どれほど勉強し、詳細にビデオを確認しているか。盗塁に対する意識の高さが、その勤勉さによく表れている。そして、それは自分のためではない。すべてが、チームの勝利のためだ。彼と接していると、それがよくわかる。

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photograph by Getty Images

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