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《林陵平とベン・メイブリーが徹底解説》今季のプレミアを楽しむための6つの論点「冨安のライバルとマンU期待のFWとは?」「要注目の昇格組は?」
1 昨シーズンを振り返って
――昨季は最終的にマンチェスター・シティが4連覇を達成しましたが、最後まで優勝争いが続く面白いシーズンでした。
ベン・メイブリー(以下ベン) 終盤まで三つ巴でしたからね。正直、イングランド人には、プレミアリーグが最強だというようなこだわりはほぼなくて、試合を見て興奮できればいいっていう感覚なんです。だから、一番求めるのが競争の激しさ。白熱した優勝争いが最後まで続いたうえに、終盤まで三つ巴の争いが見られるなんて、本当に楽しいシーズンでした。
林陵平(以下林) それでも最後の最後に追い上げてきて、やっぱり結局シティか、と。でも一昨季の優勝争いの経験を生かしたアーセナルは、シーズンを通して自分たちの最大限のパフォーマンスを出せたと思います。三つ巴の争いがもう少し長く続けば最高だったけど、経験値の高いリバプールは、サラーとクロップの関係性が悪化したり、怪我人が出てしまったことが響きましたね。
ベン コロナによる中断から過密日程がずっと続いた影響が、リバプールだけでなくいろんなチームに負傷という形で出ています。オフが短い年が3つ続いた後で、波乱が起きやすい状況でした。
――シティの強さの理由は、端的に言うとどういうところにあると思いますか。
ベン とにかく、上手にお金を使ってます。115件もの財務違反疑惑が解決されない複雑な思いは国内に残っているけど、それを置いておくと、お金の使い方がうまいんです。10年先の強さを見据えたクラブ上層部が、いち早く手をつけたのが土台作り。アカデミーやスカウト、補強などがベースとして整い、在任9季目のグアルディオラ監督の哲学は下部組織にまで浸透しています。だから、聞いたこともなかった選手がプレシーズンマッチで活躍しますよね。なにしろ、世界最強の教育を8年も受けていて、哲学の浸透度では1億ポンドの選手以上ですから。
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