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【クリスタルパレス】鎌田大地は「10番」の概念を覆すゲームチェンジャーとなれるか「僕はもっと向上できる」《グラスナー監督就任でクラブは変貌中》
8月18日、Gテック・コミュニティ・スタジアム。ベンチに下がり腰をおろした鎌田大地が、汗を拭おうともせずに厳しい表情でピッチに目をやる。試合開始前はクリスタルパレス有利が囁かれていたが、実際にはブレントフォードに先行を許す苦しい展開となる。70分時点でもスコアは1-1で、予断を許さなかった。
パレスはボールを支配しながら、終盤に向けて攻勢に出るも、逆に決勝点を奪われてしまう。試合後、メディアゾーンに現れたオリバー・グラスナー監督は、悔しさを滲ませながら敗因を分析し「前を向き、努力し続けるだけだ」とコメントした。
この発言は説得力を持っていた。グラスナーは昨シーズン後半、鎌田に至っては、この夏にクラブに名を連ねたばかり。チーム作りはまだ途上にある。そもそもパレスの場合は、開幕戦で注目を浴びるシチュエーションすら久しくなかった。
「特筆すべき材料がないクラブ」が突如迎えた昨シーズンの転機。
ロンドン南部に拠点を置くパレスは、長い歴史を持つことで知られる。前身となる組織の設立は1861年に遡るため、クラブ関係者は「世界最古のプロクラブ」を自負してきた。彼らは昔から育成にも力を入れており、ユースチームからイングランド前代表監督のガレス・サウスゲートを輩出した実績もある。クラブのエンブレムにちなみ、試合前にピッチ上を本物の鷹が滑空するシーンも名物となってきた。
だが言葉を変えれば、パレスは他にあまり特筆すべき材料がないクラブでもあった。1部での優勝経験はゼロで、FAカップも決勝に2度進出したのみ。運営や監督人事でも堅実路線を採ってきたため、安定している代わりに存在感の薄いクラブという印象が強かった。とあるサポーターは、ファンサイトで本音を吐露している。
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