11月1日に行われたチャンピオンズリーグのグループステージ最終節でスポルティングを下し、フランクフルトのベスト16進出に貢献した直後、鎌田大地の体は悲鳴をあげた。
「突然、高熱が出て、寝たきりの状態になってしまって……」
心身が限界に達したのも当然のことだろう。ここ2カ月というもの、CLとブンデスリーガの試合を中2日、3日の間隔で繰り返しながらほぼ全試合で先発し、自らのゴールでチームを牽引してきたのだから。
「毎年、『今シーズンは大事になる』と言ってるんですけど、今年は特に自分の価値を高められる大きな舞台が多い。そこで活躍するかどうかによって、夢に辿り着けるかが明確に分かる年だと思っていて。なので、今年はこれまで以上に数字を残したいと思っていた。まずは自分が一番の目標にしていたCLベスト16を達成できて、ホッとして疲れが出たんだと思います」
ビッグクラブでレギュラーになり、CL優勝を目指す――。
それが自身の夢だと、鎌田は公言してきた。そして、「自分の価値を高められる大きな舞台」とは、言うまでもなくCLとW杯のことだ。
カタールW杯は欧州のシーズン中となる冬に開催されるため、各国リーグは今季、過密日程を強いられている。特にCL、EL(ヨーロッパリーグ)に出場するチームはメンバーを入れ替えながら試合をこなしているが、グラスナー監督としては鎌田を簡単には休ませられない理由があった。
ここまで公式戦21試合で12ゴール3アシスト。自身初となるCLの舞台ではPKを含むとはいえ3試合連続ゴールもマークした。もちろん日本人として初めての記録である。今や替えの利かない選手なのだ。
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