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「きつい時、長谷部さんならどうするか」内田篤人が語る“群れない”長谷部誠への信頼《ウッチーが驚いた「50冊の本」とは?》

2024/06/14
現在は指導者やキャスターなど幅広く活躍する内田篤人
1本の電話がドイツで生き抜くための指針となった。日本代表でも、その姿勢をいつも見つめ、学んでいた。なぜ長谷部のいるチームはまとまることができたのか。「散歩隊」の一員が明かす、“真面目力”の正体――。(原題:[後輩が語る統率力]内田篤人「群れないから信じられる」)

 人に対して観察力と想像力を発揮し、言語化することが得意だった内田篤人が苦労しているようだった。今季限りで引退した先輩・長谷部誠についてだ。

「長谷部さん、(川島)永嗣さん、(吉田)麻也とのグループラインで、6年分のやり取りを見返したんだけど、エピソードみたいな話は本当に何もなかったんだよね。唯一覚えているのは、みんなで寿司屋に行ったときに、長谷部さんが自信満々で『これは、あの産地の金目鯛だ』って言ったのに、全然違ったことくらい。金目鯛じゃないことくらい、一目見ればわかるのに(笑)」

鎧みたいなものを、やっと下ろせたんだなって。

 5月24日、長谷部と共演する『報道ステーション』の出番前に用意された一室。そう言いながらスーツに着替え、着座すると、まずはその日終わったばかりの長谷部の引退会見の感想から語り始めた。

「子どもと遊びながら会見を見てたんだけど、長谷部さん、ちょっと面白くなってる。ジョークも言うようになっていて、こんなこと言うのか、と。ちょっと成長したと思った(笑)」

 会見の様子を見て、ふと昨年引退した高原直泰とのやり取りが脳裏に浮かんだ。

「高原さんは、俺が代表に入ったときに岡田ジャパンで一緒で、(清水)東高の先輩というのもあって怖い印象が残っていた。高原さんが引退してから『あのとき本当に怖かったですよ。しゃべってくれなかったですよね』と伝えたら、『いや、当時はいろんなものをまとってないと、あそこ(代表)に立てなかったんだよ』と言われて。なるほどな、と思った。確かに俺も現役の頃は、なんかいろいろ考えながらやっていたしね。自分の見られ方とか、インタビューを受ける時もさ、言葉を選ぶわけじゃないですか。現役中って鎧みたいなものをまとっていなきゃいけない。長谷部さんもそうだったのかなって感じたよね。そういうものをやっと下ろせたんだなって」

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photograph by Hirofumi Kamaya

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