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「スペインでフィギュアを普及させたい」ハビエル・フェルナンデスが平昌五輪・銅メダルの先に見据える未来<2018年>
「若い優秀な選手たちは、次々上がってくる。でもぼくたちはまだこうして、自分の位置を保っています。そうだよね、ユヅ」
平昌オリンピックのSP後の記者会見で、そう言って隣に座っていた羽生結弦に同意を求めたハビエル・フェルナンデス。26歳の彼にとって江陵アイスアリーナのリンクは、最後のオリンピック挑戦の舞台だった。
「バンクーバーオリンピックは、出場できただけで満足でした。そしてソチオリンピックでは欧州チャンピオンとして挑んだ。メダルが欲しいと思っていたけれど、あと少しのところで逃してしまった。でも人生はそんなこともあります」
そう語るフェルナンデスは、闘志をあからさまに口にすることは、ほとんどなかった。その理由は、スペイン出身の彼が現在のレベルまで到達できると思ったことはなかったからだという。
「スケートを始めた当時は、本当に子どもの遊びのつもりだった。ここまで来られたなんて、今でも信じられない思いです」
これまでヨーロッパのフィギュアスケートはロシアが圧倒的な強さを見せてきたが、ドイツ、フランスやイタリアなどから世界チャンピオンが出たことはある。だがスペインは、フィギュアスケートにおいて長い間、他の欧州諸国に後れをとってきた。
そんな中でフェルナンデスが残した成績、手にしたメダルの数々は「スペインの選手として初めて」という記録となり、それを長い間一人で更新し続けてきたのである。
今季は、初戦となった2017年9月のモントリオール・オータムクラシックで優勝という快調なスタートをきった。その後のGPシリーズでは中国杯で体調を崩し6位となるも、2戦目のフランス杯で優勝。今年1月の欧州選手権では6連覇を果たしてオンドレイ・ネペラの記録を塗り替え、まだまだトップレベルで戦えることを証明した。
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