パドレスのダルビッシュ有が史上3人目となる日米通算200勝まであと「4」に迫っている。初の日本人メジャー通算2000奪三振にはあと71個。開幕後をスムーズに滑り出せば、この2つの快挙は初夏頃には達成されるだろう。
しかし2月12日、今キャンプ初のブルペン投球を終えたダルビッシュは、それら金字塔についての問いにほとんど乗ってこなかった。
「怪我していたら達成できないですから、まず健康にシーズンを迎えられるように調整したいと思います。まずは健康を維持すること。それと一日、一日を大事に感謝してやっていくということ」
20年って早いんだな、と。いろんな方に感謝しています。
メジャー13年目は野茂英雄氏を超え、日本人投手では最長となる。日本ハム時代から数えてプロでのキャリアは20年目。
「いやー、やっぱり早いですよね。20年って早いんだな、と。大人というか、この歳になって実感できるというか……。より一年、一年の大事さを感じてきていますし、何よりもこれだけ長くできるということが特別だと思うので、いろんな方に感謝しています」
感慨深げではあるものの、節目への意識や気負いなどは伝わってこない。決意めいた言葉もなく、返ってくるのは肩の力が抜けたコメントばかり。
「200(勝)に関してはけっこう(周りからも)言われます。まあプレッシャーも別に感じないですが、自分の中では何か100勝、150勝とは違うのがあるな、とは思いますが」
約1年前のWBCでは、日本人メジャーリーガーではただひとり2月半ばの日本代表宮崎合宿から参加。若い代表メンバーたちをよくまとめ、JAPANの精神的な拠り所として貢献した。現在のパドレス内でも三塁手マニー・マチャドと並ぶリーダーと目され、慕う同僚、チームスタッフは多い。そんな日米球界で大きな敬意を集める37歳は、意気込みを聞き出そうとする質問をひょうひょうとかわし続けた。
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