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<結成1年で世界ジュニア12位> “うたしん”ペア・吉田唄菜&西山真瑚が語った「もう少し大人っぽく滑りたい」の純粋<2020年>

“うたしん”ペアと呼ばれた吉田唄菜&西山真瑚
18歳の西山と16歳の吉田が出会ったのは昨年2月。観客を笑顔にさせる2人のアイスダンスは、結成から約1年で、世界の舞台でもその輝きを見せた。成長著しいペアが明かした課題と未来図とは。(初出:Number PLUS FIGURE SKATING TRACE OF STARS 2019-2020シーズン総集編 より)

 3月4日からエストニアのタリンで開催された世界ジュニア選手権で、初挑戦のアイスダンス・吉田唄菜&西山真瑚組は29組中12位と健闘した。

「リズムダンスもフリーダンスも、今自分たちができることを全て出せたので、充実した大会だったと思います」

 試合の翌日に応じた単独取材で、吉田はそう言うとほっとした表情を浮かべた。満足度でいうと、100点満点の何点くらいか。そう聞くと西山はこう答えた。

「110点くらいです。1年前だったらこのレベルに届くと思っていなかったので。予想を上回ったので100を超えていました」

 二人は結成して、ようやく1年になったばかり。現在シングル選手としても活動している西山にとっては、アイスダンスは初挑戦だった。18歳の彼は2014年から4年連続で全日本ジュニアに出場し、昨年はシングルとアイスダンスの両種目に出た。もともと東京で樋口豊コーチに師事していたが、'16年からはトロントのクリケットクラブでブライアン・オーサーのコーチチームの指導を受けてきた。

「以前サマーキャンプでクリケットに行っていて、そこの環境、コーチや雰囲気が好きでした。たまたま憧れている羽生(結弦)選手もいたので、いいなと思ったのです」

大変だったのは、相手と近くで滑る恐怖を克服すること。

 彼がアイスダンスを試す気になったのは、2018年のこと。怪我でジャンプの練習を中断しているときに、クリケットでアイスダンスコーチの一人、アンドリュー・ハラムに声をかけられたのがきっかけだったという。

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photograph by Nobuaki Tanaka

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