#873
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「監督目線みたいなのが出てきてる」遠藤保仁が絶賛した「アギーレさん」の手腕とは?<インタビュー/2015年>

2024/02/04
今年1月に唐突に現役引退を発表した遠藤保仁。現在はガンバ大阪のコーチに
35歳となった遠藤は、今季さらなる進化を追求する。クールな相貌の裏側に秘めた飽くなき向上心の源、そして目指すべきサッカーの理想形を語り明かした。(初出:Number873号[“ミスターJリーグ”インタビュー]遠藤保仁 やられる前に叩きつぶす。)

 失礼は承知している。

 わたしにとって、遠藤保仁は日本が産んだ最高の才能、ではない。礒貝洋光、菊原志郎、小野伸二、中村俊輔ほどに、期待をしていた選手ではない。

 さらにいうなら、わたしにとっての遠藤保仁は、鹿児島実が産んだ最高の才能、というわけでもない。前園真聖や城彰二、そして“遠藤3兄弟”の長兄・拓哉を見たときほどの衝撃は、末っ子からは受けなかった。

 にもかかわらず、彼は日本のサッカー選手が誰もやれなかったことをやってのけた。鹿児島実の先輩はもちろん、日本代表の先達さえもたどり着けなかった領域に足を踏み入れ、今なお、道を進み続けている。

 なぜ遠藤保仁は、日本代表のキャップを150回も数えることができたのか―。

 まず聞きたかったのは、そのことだった。

―正直、遠藤保仁という選手がここまで来るとは思ってませんでした。みんなから期待される才能があって、なのに消えていく選手も珍しくない中、なぜ遠藤選手は代表でこれだけ活躍できるんでしょう。

「なんなんですかね(笑)。注目されなかったのがよかったのかな、とは思いますよ。僕の場合、周りに錚々たる顔ぶれが揃っていたんで、その陰でコソコソやれましたから」

―若いうちから注目されたりチヤホヤされたりするのはよくない?

「ま、その選手の態度次第だとは思うんですよ。注目されるのも、それ自体は悪いことじゃない。でも、チヤホヤされることで自分の立ち位置を見失っちゃうとね」

―どうすればいいんでしょう。

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photograph by Aya Fujioka
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