川崎フロンターレ一筋16年。Jリーグ2連覇を達成した常勝クラブの象徴として存在感を放ち続ける大ベテランは、この先に何を見据えるのか。危機感と生存本能を研ぎ澄まし、新たな自分を追い求める38歳が描く理想の境地とは――。
あだ名は「長老」である。
すでに38歳。サッカーの世界では大ベテランと呼ばれる年齢だ。普通なら、最盛期はとっくに過ぎている。
中村憲剛は、普通ではない。
ここ数年、自身の状態について問われるたびに、同じセリフを繰り返してきた。
「いまが『中村史上最高』ですよ」
一昨年も、昨年も、そして、今年もまた「最高の自分」を更新中なのだ。ジョークでも、ハッタリでもない。近年の実績が、それを雄弁に物語っている。
個人タイトルの最高峰であるJ1リーグ年間MVP(最優秀選手賞)を受賞したのは一昨年のことだ。当時36歳。歴代受賞者のなかでは最高齢になる。本人にとってはキャリア初の快挙でもあった。
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photograph by J.LEAGUE