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井上尚弥、フルトン戦を自ら語る「左足の位置にはちょっとビックリ」「大振りはわざとやってるんです」<独占インタビュー>

2023/08/28
新たな階級での不安の中、過去最強と目された相手との一戦でも圧倒的勝利をおさめたモンスター。試合前のシミュレーションやリングで対峙した印象、そしてスーパーバンタム級での展望を披瀝する。

 井上尚弥が燃えに燃えた。試合後は興奮のあまり翌日の夜まで一睡もできず、帰宅すると「気絶しました。目が覚めたらめっちゃ筋肉痛で起きられなかった」と振り返るほど。これほど心身ともに緊張し、力を出し切った試合があっただろうか。4階級制覇達成から2週間後、新チャンピオンが珠玉のファイトを詳細に振り返った。

「自分の中でも始まってみないと、どういう展開になるか分からない初めての経験というか。スーパーバンタムに上げたのがやっぱり大きかったと思います。フルトンの体格とリーチの長さを踏まえて、どういう展開になるのか。試合前はフルトンの出方をいくつか想定して、こういう出方をしてきたら長引きそうだなとか、ファースト・コンタクトがどうなるのかなとか。本当に分からなかったですね」

 7月25日、有明アリーナで行われたWBC・WBOスーパーバンタム級王者、スティーブン・フルトンとの一戦は井上にとって階級アップ初戦だった。これまでにも2度階級を上げているとはいえ、スーパーバンタム級は別物だと感じていた。そこで選んだ入場曲は『DEPARTURE』。新たな出発という決意のメッセージを超満員の1万5000人に届けたのである。

「オマール・ナルバエス戦('14年12月)でケガをして、1年ぶりの復帰戦でこの曲を初めて使いました。再出発という意味と曲調がすごく合ったんです。そのあと布袋寅泰さんと知り合ってドネア1、2、ポール・バトラー戦で『キル・ビル』の曲を使わせてもらって、これは特別な試合で使わせてもらおうと考えてました。今回も特別ではありましたけど、スーパーバンタム級初戦ということで『DEPARTURE』を選びました」

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photograph by Naoki Fukuda

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