各大陸の予選で最もレベルが高いのがヨーロッパであり、このグループもそのヨーロッパの2国が主役となる。
地力、実績共に上位なのはリトアニアだ。ユーロバスケットでの最終成績こそモンテネグロの方が上にきたが、内容はリトアニアの方が評価できる。リトアニアは死のグループと呼ばれたグループBを辛くも抜け出して決勝トーナメントに進出すると、結果的に優勝することになるスペイン相手にオーバータイムにもつれる死闘を演じた。W杯予選でも昨年8月と11月にリトアニア対モンテネグロの直接対決があったが、それぞれ90対73、65対56でリトアニアがモンテネグロを下している。
ただし、W杯本戦への入り方はモンテネグロの方がいい。国家独立以来の決勝トーナメント進出を目論む意気軒昂なモンテネグロに対し、リトアニアは主力のドマンタス・サボニスを筆頭に多くの離脱者が出てしまった。本戦ではモンテネグロの逆転があってもおかしくない。
グループDの面白いところは、この2強の対決が最終日にあるというところである。両国が順当にエジプトとメキシコを倒せばいいが、最初の2試合でアップセットされるようなことがあれば、最終日のヨーロッパ対決は非常にタフな試合になるだろう。
2強に一泡吹かせることができるとすれば、メキシコの方にその可能性を感じる。予選では3軍以下の陣容だったとは言え元オールスターのアイザイア・トーマスやNBA復帰を果たしたルーク・コルネットのいるアメリカ代表を倒した。また、元NBAのクリスチアーノ・フェリシオやマルセロ・ウエルタスのいるブラジルにも土をつけている。アメリカ戦では35本中17本、ブラジル戦では28本中12本のスリーポイントを決めており、アップセットを起こすだけの火力はある。加えて一度ペースをつかむとなかなか離さない試合巧者だ。このグループの展開の鍵は、メキシコが握っていると言えよう。
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