バスケットボールのワールドカップやオリンピックのような国際大会と言えば、かつてはアメリカ合衆国が圧倒的な優勝候補として考えられていた。しかし、近年ではヨーロッパを中心に各国の全体的なレベルアップが見られ、大会を見渡すと多くの注目国が揃っている。
そして2019年の中国大会からW杯の開催年が1年後ろにずれたことで、現在ではW杯と五輪は連続年で開催される形へとシフトした。ただ、'20年の東京五輪は1年開催が延期されたため、今年のW杯から'24年のパリ五輪というのは、このフォーマットになってから初めて連続年で開催される流れとなる。この大会構成が、各国のチーム作りに影響し始めている。
「今まではこういった大会が見せ場で、ユーロの選手なんかにとっては活躍すればNBAへの道が開けたり、ビッグクラブに移籍したりして大金を掴むチャンスとなっていた」とバスケットボールジャーナリストの塚本清彦氏は語る。
しかし近年では、アメリカが絶対に倒せない相手ではなくなり、アメリカを倒して優勝するというのが強豪国のゴールとして挙げられている。それだけに、まず注目されるのがやはり今大会のグループCに属するアメリカ代表だ。代表のマネージングディレクターがジェリー・コランジェロからグラント・ヒルに、ヘッドコーチがグレッグ・ポポビッチからスティーブ・カーに引き継がれたことで、チーム作りの変化も見られる。これまで選手は継続してキャンプに参加し、代表活動へ貢献することが重要視されていたものの、長いNBAシーズン、そしてW杯と五輪の開催が連続年になったことを考慮し、今回から選出基準が一新されている。その中で重視されていると見られるのが、代表メンバーの底上げだ。
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