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[アカデミー徹底研究]次世代スターを生み出す秘訣を探る<サカ/スミス=ロウ/エンケティア>

2023/04/13
Bukayo Saka:7歳でアーセナルの下部組織に加入したサカ。'19年1月1日に行われたフラム戦で17歳の若さでデビューした Getty Images
次世代のガナーズを担うと呼び声の高い選手たちはいずれもアカデミー出身者だ。下部組織で牙を研ぐ新たな才能。次々と優秀な人材を輩出するその理由とは。

 1月のマンチェスター・ユナイテッドとのホームゲームで、23歳のエディー・エンケティアが90分に勝負を決めた決勝点。3月に本拠地でボーンマスに2点を先行されながら追いつき、最後は後半追加タイムに23歳のリース・ネルソンが勝ち点3を手繰り寄せたボレーシュート。今季、アーセナルが19シーズンぶりにリーグ優勝を果たしたなら、この2つのシーンは今季のハイライトとして何度も振り返られることになるだろう。どちらも得点の重要性もさることながら、アカデミー出身者が英雄になった瞬間だ。その意義は大きい。

 また一昨季から、2年連続でチームのシーズン最優秀選手に選ばれているのは、ブカヨ・サカだ。おそらく今季も3シーズン連続でその栄誉に浴すはずの21歳もまた、アーセナルの下部組織が手塩にかけて育ててきたタレントである。

 今シーズンを代表する印象的な2つのシーンの当事者と、クラブを象徴する最高級の逸材。加えて昨季にブレイクし、今季は負傷の影響で出番が限定的ながら、その才能を高く評価される22歳のエミール・スミス=ロウも生え抜きのホープだ。

 積年の悲願に届きそうな今季、20歳そこそこの育成組織出身者たちが躍動している姿は、多くのファンを心から喜ばせている。この理想的な状況は、偶然に訪れたものなのか、それとも――。

A・コール、セスクもアカデミーの出身

 アーセナルのアカデミーは、古くから逸材を輩出してきたことで知られている。現在は本拠地で銅像となってクラブを見守るレジェンド、ハーバート・チャップマンが率いた1920年代から、ここではホームグロウンの才能と他所から迎える即戦力の融合が、最良のチームづくりだと信じられてきた。長期的な戦力維持の観点に加え、クラブの伝統の継承という意味合いにおいても。

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photograph by Getty Images

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