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[11着の真実]横山和生&タイトルホルダー「直線で感じた“慣れ”の差」

2022/10/20
先行力とパワーを備えた国内最強馬は、悲願達成へいかに戦ったのか。鞍上に指名されたのは、近年のブレークで一流への階段を登る29歳。パリロンシャンでつかんだ手応え、走ったからこそ得た感覚とは――。

 日本から史上最多となる4頭が遠征した今年の凱旋門賞。1969年の初挑戦(スピードシンボリ=着外)から、およそ半世紀。ついに日本競馬の悲願達成なるかと、多くの競馬ファンが固唾を飲んで見守った。

 なかでも日本の総大将として注目を集めたのがタイトルホルダーだ。昨年の菊花賞馬で、今年に入ると日経賞、天皇賞・春、宝塚記念と3連勝。“国内最強”の肩書きに加え、自分で競馬を作ることができる先行力、坂のある中山や阪神の道悪馬場を苦にしないパワーは、凱旋門賞にマッチする可能性が高いと目されていた。実際に国内オッズでは1番人気に推され、海外の前売りでも1番人気に支持された時期があった。

 その背中に指名されたのは横山和生。デビュー12年目の29歳。昨年は自身最多となる年間79勝を挙げて関東リーディング4位に食い込むなど一気にブレーク。その騎乗ぶりが評価されて昨年の有馬記念からタイトルホルダーとコンビを組み、結果を残し続けてきた。管理する栗田徹調教師も「タイトルホルダーのことを誰よりも理解してくれている」と全幅の信頼を寄せていた。

 凱旋門賞のテレビ中継が始まると、次々と騎乗するジョッキーたちが映し出された。ベテランの武豊やクリストフ・ルメールは慣れたもので、現地に溶け込んでいる様子がよく伝わってくる。続いて横山和生。白い歯を見せ、関係者らと笑顔で記念撮影をする姿がカメラに捉えられた。初の海外GI。それも最高峰の凱旋門賞という舞台に1番人気の馬で臨むプレッシャーはなかったのだろうか。

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photograph by Photostud

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