メインスタンドの一角で、大きな拍手が沸き上がった。8月27日、秩父宮ラグビー場、アイルランド代表との女子テストマッチの試合前に行われていたのは、歴代女子日本代表選手へのキャップ授与式。15人制は'91年の第1回女子W杯、7人制は'99年の香港女子セブンズから、日本代表を支えた選手たちが、日本協会から正式に表彰されたのだ。
「感無量です」
深く息をはいたのは岸田則子さん。'88年に日本女子ラグビーフットボール連盟を設立し、女子ラグビーの発展に尽力してきたパイオニアだ。
道は長く険しかった。日本協会が女子連盟を承認したのは'02年、連盟設立から14年、W杯初出場から11年が過ぎていた。それまではW杯など海外遠征もすべて自費参加で、ジャージーには桜のエンブレムをつけることもできなかった。
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photograph by Nobuhiko Otomo