新しい挑戦に励む津村尚樹ダイレクターは、責任と重圧を感じながらも充実した日々を過ごす。
日本代表がカタールW杯アジア最終予選を突破し、本大会の組み合わせも決定したなか、ヨーロッパではコロナ禍から日常が戻りつつある。
とはいえ、JFA欧州オフィスでダイレクターを務める津村尚樹の忙しい毎日に変わりはない。4月に入ってからは日本代表チームのスタッフが来欧し、取材当日もその対応に追われているところだった。
振り返れば、2020年10月に予定よりも半年遅れでドイツのデュッセルドルフに新たに欧州オフィスを開設してからも、種々の業務に忙殺され続けてきた。
「当初はコロナ禍だったので自由に出歩くことができず、警官に呼び止められたことも何度もありました(苦笑)。ロックダウン中はスーパーくらいしか営業していない。パーソナルトレーナーを呼べなくなってしまった選手たちから『どうすればいい?』っていう相談を受けて、こっちにいる日本人のトレーナーの方を探したり。とにかくゼロから、手探りでした」
しばらくしてクラブの活動が再開し、代表活動も本格的に再開すると、津村も選手の所属クラブとオンラインでのミーティングを頻繁に行った。特に'21年夏に開催を控えた東京五輪では、クラブが代表チームに選手を送り出す義務がないため、入念に連絡を取って交渉した。
「大迫(勇也)が所属していたブレーメンには何度も行ったし、招集に難色を示すクラブには、車を飛ばして会いに行きました。'21年3月くらいから視察できるようになりましたが、コロナ禍だったため私ひとりで試合会場を訪れてクラブ関係者と会ったり、選手と直接話ができるようになったりした感じです」
特製トートバッグ付き!
「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
photograph by JFA