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[舵取り役の決意]遠藤航「デュエル王が示す大国撃破の羅針盤」

2022/05/07
前回W杯で出場0分の悔しさを味わった男は、欧州の地で大きく成長した。その頭には強国攻略のイメージがあり、その心はリベンジに燃えている。今冬のカタールW杯へ向け恐れは一切ない。本気で歴史を塗り替える覚悟だ。

 これぞ天祐と言っていいだろう。来るべきカタールW杯のグループステージに、遠藤航は胸を高鳴らせる。

「まずはメンバーに選ばれることが大前提として、せっかくW杯に出るのだから、強豪国と対戦したいと思っていました。組み合わせ抽選会をライブで観ていて、スペインとドイツのグループに入りたいと思っていたので、嬉しかったというか、モチベーションが上がったというか、これがW杯だよなあと。ブンデスリーガで戦っている自分がドイツと初戦で対戦できることに、何か不思議な縁を感じますね」

 シュツットガルトで3シーズン目を過ごす遠藤は、ドイツ代表選手と何度も対戦している。「代表の試合をそんなに多く見ているわけではないですけれど」と断りを入れるものの、淀みなく印象を語っていく。

「ブンデスリーガの高いインテンシティが代表に持ち込まれていて、それにプラスしてクレバーさとかしたたかさを感じます。勝負どころを見極める力もある。代表選手の多いバイエルンもそうですけど、ここだと思うところで、しっかりパワーをかけてカウンターで点を取ったりする。基本的にボールを持てるチームですけど、劣勢の展開でも一発で仕留めて結果を出すことができるチームかな、と思います」

 ハンジ・フリック監督率いるドイツは、選手層が分厚いうえに戦術的柔軟性が高い。ウィークポイントを見つけにくい相手だが、攻略のイメージは立体的な像を描く。

「守備については、前線の選手をどう抑えるのかは気になっていて。誰が出てくるのかは分からないですが、多くの選手の特徴は分かっている。ミュラーはサッカーをよく知っている印象で、すごく目立つ選手ではないけれどチームをオーガナイズしている。ベルナーとかハバーツとかも、頭には入れています。ただ、特定の選手を意識することはありません。チームとして守っていきながら、個人でも守れるように。自分が何回奪いにいけるかを、追求したいですね」

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photograph by Tsutomu Takasu

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