近年、リード姉弟が牽引してきた日本アイスダンス界は、高橋大輔の転向もあり、大きな注目を集めるようになった。その頂点を争う2組は、いかにして世界レベルへ辿り着いたのか。
北京オリンピックを2月に控えた今季、日本のアイスダンスに、かつてないほどの熱い視線が集まっている。
その大きな理由の一つは、もちろん高橋大輔がアイスダンスに転向し、村元哉中と組んで新チームを結成したことだ。
「ダイスケほどのスター選手が、種目を変えて国際大会に挑戦するというのはフィギュア史上初のことです」と語るのは、二人を指導するマリーナ・ズエワコーチだ。二人がフロリダでアイスダンスのトレーニングを開始したのは、2020年2月。チームを結成してまだ2年しかたっていない。だが特に今季に入ってからの二人の成長ぶりには、目を見張るものがある。
「元々アイスダンスに来るのは、ジャンプが苦手な子供たちというケースも多いのですが、カナもダイスケも基礎的な身体能力が非常に高い。二人の体のコーディネーション能力と集中力が急成長の鍵でした」。オミクロン株による入国規制で全日本選手権の同行を断念したズエワコーチは、電話インタビューでそう説明する。
二人は2021年9月、地元フロリダで開催されたローカル大会で優勝。NHK杯では前年よりも20ポイント以上高い総合スコアで6位と健闘し、その翌週のワルシャワ杯では、さらに10ポイント以上スコアを伸ばして、銀メダルを手にした。
「二人とも落ち着いて、ノーミスの演技を二つまとめることができた。彼らは多くの試合を経てきたベテランスケーターなので、集中の仕方を知っている。私は1位でも良かったと思ったほどの演技でした」
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photograph by AFLO / Asami Enomoto