日本人で初めてホームラン王争いを演じた男のことなら、この人にインタビューしないわけにはいかないだろう。映画『メジャーリーグ2』でインディアンスを優勝に導いた伝説の日本人外野手、タカ・タナカが語る魂の大谷論。
1994年に公開された映画『メジャーリーグ2』には、日本人メジャーリーガーが登場する。石橋貴明さん演じるタカ・タナカがその人だ。
僕はタカ・タナカとして、大谷翔平でさえも達成していないことを成し遂げてるんです。それは……ポストシーズンで打点を挙げていること(笑)。タナカはいいタイムリーを打ってるんだよなあ。その点から見れば、大谷君には早いところ僕に追いついて欲しい。冗談はともかく、あの映画の撮影は1993年のシーズン終了後に行われたので、かれこれ30年近く前になっちゃった。撮影場所はオリオールズの本拠地カムデン・ヤードでした。オリオールズといえば'71年に来日した時の印象が鮮烈で、三塁の名手で、「人間掃除機」と言われたブルックス・ロビンソンや、のちに黒人で初めて監督になったフランク・ロビンソンへの思い出があったから、ボルチモアでの撮影は縁を感じましたね。
50年近くメジャーリーグの流れを追いかけてきた石橋さんにとって、二刀流を実現させてしまった大谷のプレーぶりは、常識外のものである。
僕たちは日本ハム時代の活躍を見てるから、ある意味で免疫があるけど、アメリカの人たちは大谷君を見たら、言葉がなくなってしまいますよね。だって、長い歴史を持つアメリカのメディアだって、形容する表現が見当たらないわけでしょ。ユニコーンだなんだと言ってたのに、それを超えちゃってベーブ・ルースしか比較対象がいないんだから。
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photograph by Wataru Sato