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[最強投手熱弁]シャーザー「スターター二刀流だから価値がある」

2021/09/11
「大谷はクローザーにすべきでは?」彼はそんな意見を真っ向から否定する。'10年代にメジャー最多の161勝を挙げた“マッド・マックス”が先発・大谷を語る。

 誰もが認めるメジャー最高峰の投手、マックス・シャーザー。今年のオールスターではナ・リーグで自身4度目のスターター(先発)を務め、投手・大谷と投げ合い、そして打者・大谷と対峙した。まずは2球でセカンドゴロに打ち取った、打者・大谷の印象を訊いてみた。

「ハハハ、そんなに多くはないね(笑)。ただ、打席ではいつもよりカッターをしっかり投げないといけない、とは思っていた。完璧に投げ切らないと、長打にされてしまうからね。運よく打ち取れて良かったよ」

 シャーザーが所属するドジャースはDH制のないナ・リーグのため、彼はシーズン中の試合でバットを握ることも多い。

「僕も打席に立つのは大好きなんだ。バッティングをすることで、ピッチャーとしてバランスの取れた状態を保つことができる。ただ、大谷がア・リーグでやっているのは凄いことだ。ピッチングだけでも相当な負担がかかるから、両方できるのはクレイジーというしかない。信じられないほどのアスリートしか、あんなことはできないよ」

 彼は中4日で投げ続けるためのコンディションを保つことに人一倍の努力を続けてきた。だからこそ今年の大谷が二刀流での出場を続けていることに驚きを隠さない。

「スターターは、可能な限りフレッシュな状態を保つために、自分のルーティンを持っていなくちゃいけない。僕の場合は登板の合間のウェイトだね。身体に負担をかけることで、肉体をメンテナンスしている。僕はそんな感じだけど、大谷には二刀流を可能にするためのルーティンがあるだろうね。それをシーズン通してやり抜こうとしてるんだから、怪物だよ、ホント。2カ月やそこらじゃない。夏場も越えてシーズン中、コンディションを維持して最高のパフォーマンスを見せることがいかに難しいか、みんな理解していないんだ」

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photograph by AFLO

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