哲学者の佐良土茂樹氏著の本書は、「人はみな祖父伝来のものではなく、善いものを求めている」というアリストテレスの言葉を指針として、美徳にもとづくコーチングのあり方を模索する。古代ギリシア哲学の専門家によるコーチング学の書であり、私なりに表現するならばスポーツ指導を「考えて実践する」書である。
前半では、「美徳なきコーチングの時代」という今日的状況について、現状や概念の整理が行われる。後半では、「コーチK」ことマイク・シャシェフスキー氏(アメリカの大学で長年にわたって男子バスケットボール部のヘッドコーチを務めてきた人物)の取り組みが適宜紹介されながら、コーチングにおける「技能」、「思慮」、「人柄」、「関係性」の観点から「善いコーチ」のあり方が解説されている。
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