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メジャー挑戦に一切の気負いなし。 挫折を越えた山口俊は力で押す。

2020/02/10
力士を父に持ち、相撲経験もある山口。野球を選んだ理由を問われ「お尻を出すのが恥ずかしくなった」と笑いを誘った。

 32歳のルーキーは、日本球界で酸いも甘いも噛み分けてきた男らしく、謙虚に、かつ冷静に抱負を語った。ブルージェイズと正式契約を交わした山口俊は、本拠地トロントで入団会見に臨んだ際、正面を見据えたまま、少しだけ語気を強めた。

「先発を勝ち取るつもりで2月のキャンプに臨んでいきます。ただ、チームとしての役割の重要性というのも分かっていますし、臨機応変にやっていこうと思っています」

 昨季、巨人の主軸として最多勝、最多奪三振、最高勝率の三冠を達成したとはいえ、メジャーでは先発の4~5番手の評価だった。DeNA時代にクローザーの経験もあることから、先発と救援の併用案を踏まえたうえでの契約となった。確かに、その汎用性は交渉を進める上で、セールスポイントのひとつだった。だが、山口自身に、使い勝手のいい、ユーティリティー投手の感覚はない。

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photograph by Getty Images

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