#986
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<アイルランドの指揮官に聞く> ジョー・シュミット「田村、松島、福岡には特に警戒している」

2019/09/26
アイルランド初のW杯ベスト4進出を託された世界的名将は、日本戦を前に警戒心を隠さない。緻密な分析により導き出されたその評価とは――。(Number986号掲載)

 2018年末時点でアイルランドは好調のピークにあり、翌年のW杯日本大会で歴史的な成果を挙げることができると、多くの評論家が予想していた。何せ、ホームで史上初のオールブラックス撃破という快挙を成し遂げたのだ。さらに、同年の最優秀コーチであるジョー・シュミットに率いられ、最優秀選手のジョナサン・セクストンを擁し、年間最優秀チームも受賞したのだから、当然といえば当然である。

 しかし、アイルランドは2019年早々に調子を落とし始めた。前年にグランドスラム(5戦全勝)を達成したシックスネーションズでは3勝2敗の3位と低迷。

「このままでは“8強の壁”は越えられない」と多くの疑問の目が向けられた。

 アイルランドは過去8回出場のW杯において、準決勝に駒を進めたことが一度もない。指揮官シュミットは前回大会の準々決勝でアルゼンチンに敗れたことが非常に心残りだった。

 しかし、今大会後は結果がどうであれ、コーチ業からの引退を表明している。すでにシュミットはアイルランド代表HC(ヘッドコーチ)として史上最も輝かしい戦績を残しているが、日本大会が指導者シュミットの集大成の舞台となる。2017年5月に組み合わせ抽選が行なわれ、プールAの対戦相手がスコットランド、サモア、ロシア、そして日本と決まった時、アイルランドの人々は、「この組なら首位通過できる」と喜んでいた。

日本を徹底研究する「ラグビー博士」。

 しかし、いまやプールAは非常にタフな組である。スコットランドは毎年顔を合わせるシックスネーションズのライバル。ここ10年の対戦は9勝4敗と勝ち越しているが、1877年の初対戦から数えて135回の対戦成績は63勝5分67敗と負け越している。

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photograph by Getty Images

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