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『アナリシス・アイ』 ペップを見抜いた筆者による サッカーを観るための物差し。

2019/07/23

 ジョゼップ・グアルディオラの率いるFCバルセロナがサッカー史に登場したのは、今を遡ること11年前、2008-'09シーズンのことでした。ボールを失った直後、激しいプレッシングで即時奪回。攻守の切り替え局面をことごとく制し、相手を巧みに動かすスピーディなパスワークでゴールを陥れる。高い強度のプレーを、あらゆる試合で繰り返し続ける彼らは世界を席巻。そのサッカーは、アリゴ・サッキのゾーンプレッシングに匹敵する「革命」と称されました。

 グアルディオラのチームのプレースタイル、局面を彩る戦術ひとつひとつは、決して「革命」的ではありませんでした。彼のもたらした「革命」の本質、それは〈サッカーにおける知の統合〉。現代サッカーに既に存在していた様々な要素・戦術を矛盾なく結びつけ、淀みない円環を成すゲームモデルを実際に作り上げ勝利し、具体的な方法論を示したのです。

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photograph by Sports Graphic Number

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