仙台の住宅街にある卓球教室を訪ねると、台から頭が出るくらいの女の子がラケットを振っていた。小学校に上がる前の福原愛だった。お下げ髪の少女はうまくいかないと悔しがり、半べそをかいた。あたりが真っ暗になって練習が終わると、泣き顔から一転して笑みを浮かべ、スイカをほおばった。筆者もいただいた。指導をする福原の両親は「取材が来た日はこうしてみんなでフルーツを食べるんですよ」と歓迎してくれた。
五輪4大会に出場し、'12年ロンドン五輪で銀、'16年リオデジャネイロ五輪で銅メダルを獲得した福原愛が10月21日に引退を発表した。リオ五輪後に台湾の卓球選手である江宏傑と結婚し、'17年に出産。ここ2年は選手としての活動を停止していた。引退発表は30歳になる11日前のタイミングだった。
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photograph by AFLO